2016年 11月 23日
Boron in Medicinal Chemistry |
アメリカ化学会のMedicinal Chemistry Divisionでは毎年秋になると、Medicinal Chemistry Reviewsという冊子を発行しています。各年の編集長を中心にその年ごとのタイムリーなトピックを20数件選び、それぞれのトピック(分野)のエキスパートに執筆を依頼します。
これを毎年見ていれば、メディシナルケミストリー(医薬品化学)のトレンドはほぼカバーできるようになっていて、今年のも全555ページという大作で、言ってみればメディシナルケミストのバイブルのようなものです。
今年の春に、同僚のVincent宛てにこの執筆依頼が舞い込みました。ホウ素含有医薬品の開発に注力してきたAnacor社は、2014年に最初の製品である新規作用機序の爪白癬治療薬(Kerydin)を発売し、2016年1月には非ステロイドの新規アトピー性皮膚炎治療薬となる予定のCrisaborole (2% ointment)の承認申請を行いました。これらの研究開発の成功例によって、他の製薬企業でも次々とホウ素含有化合物を作り始めたようで、医薬品としての特許がいくつも出願されるようになり、ホウ素化合物は低分子医薬のひとつの新しい分野として広がりつつあります。
そんな状況もあっての上記依頼だったわけです。そこで数名で分担してぜひやろうということになりました。私自身は上記のCrisaboroleを含む抗炎症剤(Anti-inflammatory Agents)の部分を担当。
それが先日オンラインで刊行されました。会員はPDF版を無料でもらえるのですが、せっかくなので、記念に冊子体も1冊購入しました。
奇しくもこの最中にAnacorはPfizerに買収されることが決まり、それが6月に完了しました。なので、結果的にはちょうどいいタイミングでこういうまとめを出すことができてよかったな、と思います。
これを毎年見ていれば、メディシナルケミストリー(医薬品化学)のトレンドはほぼカバーできるようになっていて、今年のも全555ページという大作で、言ってみればメディシナルケミストのバイブルのようなものです。
今年の春に、同僚のVincent宛てにこの執筆依頼が舞い込みました。ホウ素含有医薬品の開発に注力してきたAnacor社は、2014年に最初の製品である新規作用機序の爪白癬治療薬(Kerydin)を発売し、2016年1月には非ステロイドの新規アトピー性皮膚炎治療薬となる予定のCrisaborole (2% ointment)の承認申請を行いました。これらの研究開発の成功例によって、他の製薬企業でも次々とホウ素含有化合物を作り始めたようで、医薬品としての特許がいくつも出願されるようになり、ホウ素化合物は低分子医薬のひとつの新しい分野として広がりつつあります。
そんな状況もあっての上記依頼だったわけです。そこで数名で分担してぜひやろうということになりました。私自身は上記のCrisaboroleを含む抗炎症剤(Anti-inflammatory Agents)の部分を担当。
それが先日オンラインで刊行されました。会員はPDF版を無料でもらえるのですが、せっかくなので、記念に冊子体も1冊購入しました。
奇しくもこの最中にAnacorはPfizerに買収されることが決まり、それが6月に完了しました。なので、結果的にはちょうどいいタイミングでこういうまとめを出すことができてよかったな、と思います。
by a-pot
| 2016-11-23 07:00
| 医薬、バイオ関連