2006年 04月 04日
バイオベンチャーがやっていけるわけ |
最近、私のブログは用語からしてわからない、例えば製品も売上げもないバイオベンチャーが何年もやってけるのはなぜなのか、不思議でしょうがない、というコメントをいただいたので、私の理解の範囲でそのあたりを少し書いてみましょう。
医薬品の開発は通常10数年の歳月と数100億円の開発資金がいる、これはよく知られたこと。大手製薬企業は、既存の製品による売上げと利益、プラス(少なくともベンチャーから見れば)潤沢な内部留保金により、次の製品の開発が可能。一方創薬系のベンチャーは、多少リスキーだけれどもうまく行けば画期的な新薬、いわゆるピカ新薬を目指して起業されるので、ハイリスク&ハイリターンなビジネスとなる。
世の中には潤沢な資金を持ち、銀行預金よりもずっといい利回りを求めている投資家がたくさんいる。彼らは資金量が豊富なため、リスクを取ることができる。極端な話、数億円くらい失ってもどうってことない人はゴマンといる。そこまでいかなくても、ハイリターンの投資先を求めている投資家は十分たくさんいる。さらにプロとして資金運用する機関投資家や、多くの企業も資金の一部をそういった投資に当てている。
リスクはあるけれどもリターンの大きい投資先を求めている様々なソースから資金を集め、有望なベンチャーを探して投資し、得られたリターンから自分たちの取り分を引いた残りを投資家に還元するのがいわゆるベンチャーキャピタル。彼らは目をつけたベンチャーに最初の1年分くらいの資金を投入し、引き換えに投資先ベンチャーの株式を(1株10セントとかで)取得する。この時点ではまだリターンはない。そのベンチャーがいい結果を出せば、さらに次の1,2年分を追加投資する。5年くらいたって、うまくいけばそのベンチャーがIPO(新規株式公開)することがある。そこで例えば10ドルの株価がついたとすると、VCは1株10セントで得た株式が100倍になったことになる。最初に1億円投資していれば、それが100億円になるということである。IPOでなくても、ベンチャーが大手製薬企業に買収されれば、それなりの値段で株式が買い取られることになるので、それでもVCは利益を得ることができる。
もちろん投資した会社がすべてそんな風にうまくいくわけはないので、VCは多くのの会社に分散投資する。それらの会社がある割合で成功してくれれば、トータルで十分なリターンが得られるというわけ。従っていくら分散してリスクを減らすといっても、成功確率を上げるためには投資先に対する「目利き」が重要なのは言うまでもない。
実際にはもっといろいろなファクターがあるけれども、世の中には投資先を求めている「やってみなはれ」的な資金がたくさんあるというのが、ベンチャーが成り立つ大きな理由のひとつということです。この仕組みの最大の利点は、投資された金は借金ではないため、ビジネスがうまくいかなくても返す必要がないというところ。投資家がそういったリスクを取ってくれるので、ベンチャーもリスクを取ることができる。すべてのプレーヤーが基本的に成功報酬のみを求めることで成り立つ仕組みと言えるかも知れません。
医薬品の開発は通常10数年の歳月と数100億円の開発資金がいる、これはよく知られたこと。大手製薬企業は、既存の製品による売上げと利益、プラス(少なくともベンチャーから見れば)潤沢な内部留保金により、次の製品の開発が可能。一方創薬系のベンチャーは、多少リスキーだけれどもうまく行けば画期的な新薬、いわゆるピカ新薬を目指して起業されるので、ハイリスク&ハイリターンなビジネスとなる。
世の中には潤沢な資金を持ち、銀行預金よりもずっといい利回りを求めている投資家がたくさんいる。彼らは資金量が豊富なため、リスクを取ることができる。極端な話、数億円くらい失ってもどうってことない人はゴマンといる。そこまでいかなくても、ハイリターンの投資先を求めている投資家は十分たくさんいる。さらにプロとして資金運用する機関投資家や、多くの企業も資金の一部をそういった投資に当てている。
リスクはあるけれどもリターンの大きい投資先を求めている様々なソースから資金を集め、有望なベンチャーを探して投資し、得られたリターンから自分たちの取り分を引いた残りを投資家に還元するのがいわゆるベンチャーキャピタル。彼らは目をつけたベンチャーに最初の1年分くらいの資金を投入し、引き換えに投資先ベンチャーの株式を(1株10セントとかで)取得する。この時点ではまだリターンはない。そのベンチャーがいい結果を出せば、さらに次の1,2年分を追加投資する。5年くらいたって、うまくいけばそのベンチャーがIPO(新規株式公開)することがある。そこで例えば10ドルの株価がついたとすると、VCは1株10セントで得た株式が100倍になったことになる。最初に1億円投資していれば、それが100億円になるということである。IPOでなくても、ベンチャーが大手製薬企業に買収されれば、それなりの値段で株式が買い取られることになるので、それでもVCは利益を得ることができる。
もちろん投資した会社がすべてそんな風にうまくいくわけはないので、VCは多くのの会社に分散投資する。それらの会社がある割合で成功してくれれば、トータルで十分なリターンが得られるというわけ。従っていくら分散してリスクを減らすといっても、成功確率を上げるためには投資先に対する「目利き」が重要なのは言うまでもない。
実際にはもっといろいろなファクターがあるけれども、世の中には投資先を求めている「やってみなはれ」的な資金がたくさんあるというのが、ベンチャーが成り立つ大きな理由のひとつということです。この仕組みの最大の利点は、投資された金は借金ではないため、ビジネスがうまくいかなくても返す必要がないというところ。投資家がそういったリスクを取ってくれるので、ベンチャーもリスクを取ることができる。すべてのプレーヤーが基本的に成功報酬のみを求めることで成り立つ仕組みと言えるかも知れません。
by a-pot
| 2006-04-04 13:43
| 医薬、バイオ関連