2009年 09月 23日
出張アップデート |
日本は大型連休中のようですが、こちらは月曜日のプレカンファレンスワークショップを経て、今日は第5回Compound Management & Integrity Summitの第1日でした。
これが実に、今まで参加したカンファレンスの中で一番おもしろいと感じました。ファイザー、GSK、メルクといった大手を中心に、いろんな会社や機関の化合物マネージメント担当部署の人たちが、それぞれの事例を紹介してくれます。うちではこういう体制だとか、こういうスペックでDMSOプレートを作成しているとか、それらのQC(Quality Control, 品質管理)をどういうふうにしているとか、HTS(High Throughput Screening)のサポートはこうだけど、LO(Lead Optimization)のサポートはこうしているだとか、ライブラリのサイズとかもさらっと教えてくれます。まあうちのようなスタートアップでビッグファーマのシステムをそのまま取り入れることは不可能だし、化合物の数も少ないので必要もないのですが、それでも基本はいっしょですからとても参考になります。
参加者はみな基本的に同じ仕事をしている人たちですから、100名弱のこじんまりとしたイベントであることも手伝って、会社は違っても(ライバル企業同士であっても)強い仲間意識のようなものがあるのを感じます。お互いの似たような悩みをよ~く理解できますし、むしろ社内の他部署の同僚よりも親近感を感じるのかも知れません。こういうところで同業者のネットワークが広がるわけですね。私は初参加ですが、本イベント自体は5回目なので、参加者の多くはすでに知り合いみたいですし。
一方日本では、これに相当するようなカンファレンスは見当たりません。こういうことは会社の大事なノウハウで、機密事項だという認識が主流なのかも知れませんね。昔、化合物ライブラリの数はおろか、研究所の研究員の数さえ機密事項だと教育されたものでした。欧米の企業はお互い競争関係にありながらも、こういった多くのことをシェアしあっていくことで、お互いに質を高めあっていくという意味でwin-winを目指せるというスタンスなのでしょう。もともと会社間での人材の流動性が高いですから、こういうところまで隠してもあまり意味がないとも言えますし。この違いは本当に大きいなと思います。
3時間ではありますがやや時差ぼけで睡眠不足気味なのに、一日中英語を聞いていて(わからないところもあるのに)まったく眠くならないなんて自分でも信じられません(笑)。午前と午後にそれぞれ1回、ネットワーキングブレークが45分ずつもあり、さらに今日はグループに分かれてラウンドテーブルディスカッションとかもあって、口を開く機会もあるからでしょうか。このラウンドテーブルでは、「国境を越えての化合物の送付に関連する問題」というところに参加しました。うちは中国のCROといろいろやり取りしていて、時々サンプルが税関で止められるという問題があるので、何か参考になることが聞けないかと思ったからです。ところが日本への送付が一番当局がうるさくて問題だと言い出した人がいて、おまえ日本人なら何とかしろと責められてしまいました(もちろん冗談ですが、実際それは何とかしたいです ^^;)。知りませんでしたが、化合物の正式なフルネームを記載することを要求されるのだそうです。会社で鋭意研究中のサンプルを送るのにそんなことできるわけないじゃん、ということがまったく理解されないようです。輸出入をチェックするのは税関で、これは財務省の管轄下にあるようですが、それともこういうのは経産省?厚労省?
合成に加えて化合物管理を始めて1年あまりになりますが、自分はこういう仕事もけっこう好きなんだなあとあらためて実感。何かとアバウトなことが多いアメリカでも、かなりのまめさ、几帳面さが要求される分野なので、そういうことをやっている人たちには親近感が湧くのかも(笑)。思い切って来てみてよかった。もう一日、しっかり聞いて帰ろうっと。
これが実に、今まで参加したカンファレンスの中で一番おもしろいと感じました。ファイザー、GSK、メルクといった大手を中心に、いろんな会社や機関の化合物マネージメント担当部署の人たちが、それぞれの事例を紹介してくれます。うちではこういう体制だとか、こういうスペックでDMSOプレートを作成しているとか、それらのQC(Quality Control, 品質管理)をどういうふうにしているとか、HTS(High Throughput Screening)のサポートはこうだけど、LO(Lead Optimization)のサポートはこうしているだとか、ライブラリのサイズとかもさらっと教えてくれます。まあうちのようなスタートアップでビッグファーマのシステムをそのまま取り入れることは不可能だし、化合物の数も少ないので必要もないのですが、それでも基本はいっしょですからとても参考になります。
参加者はみな基本的に同じ仕事をしている人たちですから、100名弱のこじんまりとしたイベントであることも手伝って、会社は違っても(ライバル企業同士であっても)強い仲間意識のようなものがあるのを感じます。お互いの似たような悩みをよ~く理解できますし、むしろ社内の他部署の同僚よりも親近感を感じるのかも知れません。こういうところで同業者のネットワークが広がるわけですね。私は初参加ですが、本イベント自体は5回目なので、参加者の多くはすでに知り合いみたいですし。
一方日本では、これに相当するようなカンファレンスは見当たりません。こういうことは会社の大事なノウハウで、機密事項だという認識が主流なのかも知れませんね。昔、化合物ライブラリの数はおろか、研究所の研究員の数さえ機密事項だと教育されたものでした。欧米の企業はお互い競争関係にありながらも、こういった多くのことをシェアしあっていくことで、お互いに質を高めあっていくという意味でwin-winを目指せるというスタンスなのでしょう。もともと会社間での人材の流動性が高いですから、こういうところまで隠してもあまり意味がないとも言えますし。この違いは本当に大きいなと思います。
3時間ではありますがやや時差ぼけで睡眠不足気味なのに、一日中英語を聞いていて(わからないところもあるのに)まったく眠くならないなんて自分でも信じられません(笑)。午前と午後にそれぞれ1回、ネットワーキングブレークが45分ずつもあり、さらに今日はグループに分かれてラウンドテーブルディスカッションとかもあって、口を開く機会もあるからでしょうか。このラウンドテーブルでは、「国境を越えての化合物の送付に関連する問題」というところに参加しました。うちは中国のCROといろいろやり取りしていて、時々サンプルが税関で止められるという問題があるので、何か参考になることが聞けないかと思ったからです。ところが日本への送付が一番当局がうるさくて問題だと言い出した人がいて、おまえ日本人なら何とかしろと責められてしまいました(もちろん冗談ですが、実際それは何とかしたいです ^^;)。知りませんでしたが、化合物の正式なフルネームを記載することを要求されるのだそうです。会社で鋭意研究中のサンプルを送るのにそんなことできるわけないじゃん、ということがまったく理解されないようです。輸出入をチェックするのは税関で、これは財務省の管轄下にあるようですが、それともこういうのは経産省?厚労省?
合成に加えて化合物管理を始めて1年あまりになりますが、自分はこういう仕事もけっこう好きなんだなあとあらためて実感。何かとアバウトなことが多いアメリカでも、かなりのまめさ、几帳面さが要求される分野なので、そういうことをやっている人たちには親近感が湧くのかも(笑)。思い切って来てみてよかった。もう一日、しっかり聞いて帰ろうっと。
by a-pot
| 2009-09-23 11:12
| 医薬、バイオ関連