2010年 01月 18日
世界の医薬品セールス2008-2009 |
もう1ヶ月以上前の号になりますが、C&EN12月7日号の記事に医薬品年間売り上げのランキングデータが出てたので、いくつか拝借して紹介します。
2009年6月までの1年間のデータですが、まずはTOP 10 GLOBAL MARKETS。国別市場サイズがこれ。

USがダントツ、単独国としては日本が2位なのは相変わらずで、すべての国で前年比増加してますね。やはり注目はすでに6位に入っている中国、前年比何と25%近くの増加。次年度はどこまで上がるのか。そして10位のブラジルも二桁成長です。
次が疾患分野別のデータ。

トップは癌関係で、前年比10.5%増加。
2位は脂質(コレステロール)低下薬で、後で出ますがリピトールがまだがんばっている分野ですが、成長はほtんどなし。
3位は呼吸器関連ですが、喘息のための気管支拡張剤が中心だと思います。
4位は抗潰瘍薬。プロトンポンプ阻害剤がメインですが、オメプラゾールがしばらく前からジェネリックどころかOTC化されているにも関わらず、その光学活性体(esomeprazole)が今でもブロックバスターで、売り上げは横ばいになっています。これはいいことなのかどうか・・・。
5位は糖尿病。ここは新薬開発が非常に盛んで、人々にとって残念なことに引き続き成長市場。
6位はなぜか分野ではなく降圧剤の1ジャンルであるアンジオテンシンII拮抗剤。降圧剤全体にすればもっと順位は上がるはず。引き続き二桁成長。
7位、8位は精神科領域。安定しています。
9位が自己免疫疾患。リューマチその他の関節炎、クローン病、乾癬など。癌と並んでバイオロジクス(抗体、タンパク製剤)の成長著しい分野で、前年比約18%の増加。
10位は抗てんかん薬となっていて、この中で唯一のマイナス成長。
二桁成長しているのが、癌、糖尿病、高血圧、自己免疫疾患のクスリということになります。H1N1ワクチンも含めた抗ウィルス関係や抗生物質(抗菌、抗真菌)とかは入ってきませんね。これはカットオフが6月なので、あるいは来年の統計では入るかも?
最後は個別の製品トップ10.グラフが非常に小さいので、見たい方はオリジナル記事へどうぞ。フリーアクセスです。

1位: Lipitor(Pfizer)。特許切れ近いらしいので、今年で最後かも。単剤でなんと$13.2B(1兆2千億くらい)売り上げてます。
2位: Plavix(BMS)。抗血小板薬、抗血栓症治療薬。$8.8B。
3位: Nexium(AstraZeneka)。上記のesomeprazoleのこと。プロトンポンプ阻害剤。潰瘍治療薬。$7.9B。
4位: Advair(GSK)。Salmeterol/fluticasone合剤。喘息(吸入)薬。
5位: Seroquel(Astraeneka)。分裂症治療薬。
6位: Embrel(Amgen/Pfizer)。リューマチ性関節炎。バイオロジクスの草分け。可溶性TNFaレセプター製剤。
7位: Zyprexia(Eli Lilly)。分裂症。
8位: Remicade(Centocor)。リューマチ性関節炎、クローン病。TNFアルファモノクローナル抗体。日本では田辺三菱が販売。
9位: Singulair(Merck)。喘息、アレルギー。
10位: Crestor(AstraZeneka)。リピトールと同じ高脂血症治療スタチン薬。いろいろ副作用の議論がありましたが、健在。$4.5B。
上記10品目は、リピトールこそわずか0.1%の成長ですが、残りは3.5%から36.9%と、すべて売り上げ増加しています。個人的にはちょっと驚き。この記事全体でも、戦略の見直しは必要だが、なんだかんだ言っても製薬業界は長期の市場動向に適応し、また湧き出る患者のニーズも減少することはないと締めくくっています。
ちなみにグローバルな医薬品市場としてみても2009年の見込みは2008年から5%台の増加だそうです。巷で言われる大型特許切れ問題はまだこれからですから、次年度以降どうなるかはわかりませんけどね。
2009年6月までの1年間のデータですが、まずはTOP 10 GLOBAL MARKETS。国別市場サイズがこれ。

USがダントツ、単独国としては日本が2位なのは相変わらずで、すべての国で前年比増加してますね。やはり注目はすでに6位に入っている中国、前年比何と25%近くの増加。次年度はどこまで上がるのか。そして10位のブラジルも二桁成長です。
次が疾患分野別のデータ。

トップは癌関係で、前年比10.5%増加。
2位は脂質(コレステロール)低下薬で、後で出ますがリピトールがまだがんばっている分野ですが、成長はほtんどなし。
3位は呼吸器関連ですが、喘息のための気管支拡張剤が中心だと思います。
4位は抗潰瘍薬。プロトンポンプ阻害剤がメインですが、オメプラゾールがしばらく前からジェネリックどころかOTC化されているにも関わらず、その光学活性体(esomeprazole)が今でもブロックバスターで、売り上げは横ばいになっています。これはいいことなのかどうか・・・。
5位は糖尿病。ここは新薬開発が非常に盛んで、人々にとって残念なことに引き続き成長市場。
6位はなぜか分野ではなく降圧剤の1ジャンルであるアンジオテンシンII拮抗剤。降圧剤全体にすればもっと順位は上がるはず。引き続き二桁成長。
7位、8位は精神科領域。安定しています。
9位が自己免疫疾患。リューマチその他の関節炎、クローン病、乾癬など。癌と並んでバイオロジクス(抗体、タンパク製剤)の成長著しい分野で、前年比約18%の増加。
10位は抗てんかん薬となっていて、この中で唯一のマイナス成長。
二桁成長しているのが、癌、糖尿病、高血圧、自己免疫疾患のクスリということになります。H1N1ワクチンも含めた抗ウィルス関係や抗生物質(抗菌、抗真菌)とかは入ってきませんね。これはカットオフが6月なので、あるいは来年の統計では入るかも?
最後は個別の製品トップ10.グラフが非常に小さいので、見たい方はオリジナル記事へどうぞ。フリーアクセスです。

1位: Lipitor(Pfizer)。特許切れ近いらしいので、今年で最後かも。単剤でなんと$13.2B(1兆2千億くらい)売り上げてます。
2位: Plavix(BMS)。抗血小板薬、抗血栓症治療薬。$8.8B。
3位: Nexium(AstraZeneka)。上記のesomeprazoleのこと。プロトンポンプ阻害剤。潰瘍治療薬。$7.9B。
4位: Advair(GSK)。Salmeterol/fluticasone合剤。喘息(吸入)薬。
5位: Seroquel(Astraeneka)。分裂症治療薬。
6位: Embrel(Amgen/Pfizer)。リューマチ性関節炎。バイオロジクスの草分け。可溶性TNFaレセプター製剤。
7位: Zyprexia(Eli Lilly)。分裂症。
8位: Remicade(Centocor)。リューマチ性関節炎、クローン病。TNFアルファモノクローナル抗体。日本では田辺三菱が販売。
9位: Singulair(Merck)。喘息、アレルギー。
10位: Crestor(AstraZeneka)。リピトールと同じ高脂血症治療スタチン薬。いろいろ副作用の議論がありましたが、健在。$4.5B。
上記10品目は、リピトールこそわずか0.1%の成長ですが、残りは3.5%から36.9%と、すべて売り上げ増加しています。個人的にはちょっと驚き。この記事全体でも、戦略の見直しは必要だが、なんだかんだ言っても製薬業界は長期の市場動向に適応し、また湧き出る患者のニーズも減少することはないと締めくくっています。
ちなみにグローバルな医薬品市場としてみても2009年の見込みは2008年から5%台の増加だそうです。巷で言われる大型特許切れ問題はまだこれからですから、次年度以降どうなるかはわかりませんけどね。
by a-pot
| 2010-01-18 05:32
| 医薬、バイオ関連