2016年 11月 12日
マリファナは麻薬でも覚醒剤でもない |
今回のアメリカ大統領選挙の日に、各州で様々な住民投票も行われ、カリフォルニアでは娯楽目的のマリファナの栽培、使用が一定量において認められることになりました。そこでこの機会に、名前はよく聞くのだけれど実はそれぞれの違いがよくわからないドラッグについて、自由研究としてちょっと調べてみることにしました。
対象はマリファナ、コカイン、モルヒネ、そしてヘロインの4種。どれも聞いたことあるでしょ?ヘロイン以外は多くの国で医療目的で使われています。ちなみに麻薬、覚醒剤、マリファナ(大麻)の区別について、ざっと調べた限りで一番わかりやすく書かれていたのはこちらのページでした。
まずはマリファナ。日本語では大麻。有名人が隠し持っていて逮捕されるニュースがよくある、あれですね。英語のスペルはmarijuanaで、発音はマリワナ(ワにアクセント)という感じ。別名としてcannabis(カンナビス)とも呼ばれる。アサ(麻、大麻草、cannabis)という植物の花と葉を乾燥、または樹脂化、液体化したもの。その中に60種類にも上るというカンナビノイドという成分が含まれていて、中でもメインの薬効成分と言われているのが、テトラヒドロカンナビノール(tetrahydrocannabinol, THC)という化合物で、こんな構造をしています。

炭素と水素と酸素だけからできていて、炭水化物みたいなものといえなくもない(笑)。ビタミンE(トコフェロール)ときも~ち似ていると言えなくもない(笑)。だから何?ですが。

アメリカでは今回認められたカリフォルニアを含めて5つの州(アラスカ、ワシントン、オレゴン、コロラド、カリフォルニア)で医療用、娯楽用共に合法化されていて、さらに3つの州(メイン、マサチューセッツ、ネバダ)で投票により合法化が決まっているようです(まだ施行されてはいない)。ソースはこちら。
使い方としてはたばこのようにして吸入するか、クッキーのようなものに混ぜて食べるかで効果が得られ、主な作用は鎮痛、酩酊感、陶酔感などで、いわゆる「ハイ」になるものの、摂取量が多いと脈と血圧を下げ、どよーんとなってしまうらしい。しかしマリファナ/大麻は麻薬でも覚醒剤でもないんです。日本では大麻取締法という法律で厳しく取り締まられているけれど、意外と安全で依存性もなく、世界的には実はたばこや酒の方が体には悪いのだという見方が一般的。だからと言って、たとえ合法になっても試したいとは思いませんけどね。
次にコカイン(スペルはcocaine、発音はコゥケイン)ですが、コカノキという植物から取れて、昔はコカコーラに含まれていた、むしろだからコカコーラという名前になったというのは割と有名な話。
局所麻酔薬として使われますが、内服、静注した場合、精神を高揚させる作用が強く(麻薬でありながら覚醒剤的作用もある)、依存性も強く、麻薬に指定されています。構造は下記。作用は強烈だけれど短時間しか続かないというのは、分子内のエステル結合が代謝的に加水分解を受けるためと思われます。

次にモルヒネ(morphine、発音はモーフィーンみたいな感じ)。ケシの実から採取(抽出)される液体がアヘンと呼ばれ、この中に10%ほど含まれる薬効成分がモルヒネだそうです。強力な鎮痛、鎮静作用があるので医薬品として使われる一方、依存性も強く、これも麻薬指定されています。構造はこんな。

そしてモルヒネの2つの水酸基(-OH)をアセチル化したものが、麻薬の王様と呼ばれるヘロイン(heroin、発音はヒィロインみたいな感じ)です。快感、精神的依存、身体的依存のすべてで最高ポイントを得ている唯一の薬物だそうです。体内での有効成分は、加水分解を受けて生成する上記のモルヒネなのですが、ヘロインは脂溶性が高く、そうするとモルヒネよりも血液脳関門を通過しやすいために、脳内にたくさんの薬剤が届きやすくなり、より強い作用が生じます。こういうのをプロドラッグといいます。

ヘロイン静注により得られる快感は、ウィキペディアによると、
とのことで、まったく想像がつきませんが、とにかくものすごいのだということはわかりますね(笑)。
コカイン、モルヒネ、ヘロインのような化合物は分子内で環に含まれる窒素を含み、弱いアルカリ性を示すことからアルカロイドと呼ばれます。植物由来のアルカロイドは様々な生理活性を示すものが多く、例えばアトロピン、クロロキン、コルヒチン、ビンクリスチン、およびそれらの類縁体など、医薬品となっているものがたくさんあります。
なんとなくすっきりしましたでしょうか?
対象はマリファナ、コカイン、モルヒネ、そしてヘロインの4種。どれも聞いたことあるでしょ?ヘロイン以外は多くの国で医療目的で使われています。ちなみに麻薬、覚醒剤、マリファナ(大麻)の区別について、ざっと調べた限りで一番わかりやすく書かれていたのはこちらのページでした。
まずはマリファナ。日本語では大麻。有名人が隠し持っていて逮捕されるニュースがよくある、あれですね。英語のスペルはmarijuanaで、発音はマリワナ(ワにアクセント)という感じ。別名としてcannabis(カンナビス)とも呼ばれる。アサ(麻、大麻草、cannabis)という植物の花と葉を乾燥、または樹脂化、液体化したもの。その中に60種類にも上るというカンナビノイドという成分が含まれていて、中でもメインの薬効成分と言われているのが、テトラヒドロカンナビノール(tetrahydrocannabinol, THC)という化合物で、こんな構造をしています。

炭素と水素と酸素だけからできていて、炭水化物みたいなものといえなくもない(笑)。ビタミンE(トコフェロール)ときも~ち似ていると言えなくもない(笑)。だから何?ですが。

アメリカでは今回認められたカリフォルニアを含めて5つの州(アラスカ、ワシントン、オレゴン、コロラド、カリフォルニア)で医療用、娯楽用共に合法化されていて、さらに3つの州(メイン、マサチューセッツ、ネバダ)で投票により合法化が決まっているようです(まだ施行されてはいない)。ソースはこちら。
使い方としてはたばこのようにして吸入するか、クッキーのようなものに混ぜて食べるかで効果が得られ、主な作用は鎮痛、酩酊感、陶酔感などで、いわゆる「ハイ」になるものの、摂取量が多いと脈と血圧を下げ、どよーんとなってしまうらしい。しかしマリファナ/大麻は麻薬でも覚醒剤でもないんです。日本では大麻取締法という法律で厳しく取り締まられているけれど、意外と安全で依存性もなく、世界的には実はたばこや酒の方が体には悪いのだという見方が一般的。だからと言って、たとえ合法になっても試したいとは思いませんけどね。
次にコカイン(スペルはcocaine、発音はコゥケイン)ですが、コカノキという植物から取れて、昔はコカコーラに含まれていた、むしろだからコカコーラという名前になったというのは割と有名な話。
局所麻酔薬として使われますが、内服、静注した場合、精神を高揚させる作用が強く(麻薬でありながら覚醒剤的作用もある)、依存性も強く、麻薬に指定されています。構造は下記。作用は強烈だけれど短時間しか続かないというのは、分子内のエステル結合が代謝的に加水分解を受けるためと思われます。

次にモルヒネ(morphine、発音はモーフィーンみたいな感じ)。ケシの実から採取(抽出)される液体がアヘンと呼ばれ、この中に10%ほど含まれる薬効成分がモルヒネだそうです。強力な鎮痛、鎮静作用があるので医薬品として使われる一方、依存性も強く、これも麻薬指定されています。構造はこんな。

そしてモルヒネの2つの水酸基(-OH)をアセチル化したものが、麻薬の王様と呼ばれるヘロイン(heroin、発音はヒィロインみたいな感じ)です。快感、精神的依存、身体的依存のすべてで最高ポイントを得ている唯一の薬物だそうです。体内での有効成分は、加水分解を受けて生成する上記のモルヒネなのですが、ヘロインは脂溶性が高く、そうするとモルヒネよりも血液脳関門を通過しやすいために、脳内にたくさんの薬剤が届きやすくなり、より強い作用が生じます。こういうのをプロドラッグといいます。

ヘロイン静注により得られる快感は、ウィキペディアによると、
静脈注射で摂取すると、通常、すぐさま強烈な多幸感が体内で波打つ感覚(ラッシュ)に襲われることとなる。摂取直後から数分間にわたって続くこの強烈な快感は何物にも代えがたいものと言われ、時には「オーガズムの数万倍の快感を伴う射精を全身の隅々の細胞で行っているような」と、また時には「人間の経験しうるあらゆる状態の中で、ほかの如何なるものをもってしても得られない最高の状態」などと表現される。
常態の人間が一生のうちに体感し得る全ての「快感」の合計を上回る快感を瞬時に得ることに等しいと云われるその快楽度の強さ、そしてそこから生ずる至福感は、しばしば「約束された安堵」などと表現されてきた。
とのことで、まったく想像がつきませんが、とにかくものすごいのだということはわかりますね(笑)。
コカイン、モルヒネ、ヘロインのような化合物は分子内で環に含まれる窒素を含み、弱いアルカリ性を示すことからアルカロイドと呼ばれます。植物由来のアルカロイドは様々な生理活性を示すものが多く、例えばアトロピン、クロロキン、コルヒチン、ビンクリスチン、およびそれらの類縁体など、医薬品となっているものがたくさんあります。
なんとなくすっきりしましたでしょうか?
by a-pot
| 2016-11-12 13:24
| 医薬、バイオ関連