2017年 01月 01日
新年のごあいさつ 2017 |
あけましておめでとうございます。
2001年に渡米して以来、毎年いろいろなことがあって、まさにローラーコースターのような生活を楽しんできました。昨年も例にもれず激動の年となったわけですが、この15年の中でも一番大きな変化があったと言えるかも知れません。
まず年初に、mild to moderate(軽度から中程度)のアトピー性皮膚炎を適応とした、crisaborole 2% ointment(軟膏)のFDAへの承認申請が完了し、3月に正式に受理されました。それを受けて、5月にPfizer(ファイザー)社によるAnacor社の$5.2B(当時のレートで約5700億円)での買収が発表となり、6月にはそれが完了しました。
その結果、Anacor社の探索研究プロジェクトはPfizer本体で引き継がれることとなり、Anacor社の研究部門は12月でほぼクローズ、私も13年半に及ぶ勤務が終了しました。
そしてまさにその直前の12月14日、上記のcrisaborole 2% ointmentがFDAから認可されました。非ステロイドで安全性が高いアトピー外用剤は長らく待ち望まれていた薬で、約15年ぶりの新薬となります。まずは米国での発売ですが、今後数年の間に日本を含む世界各国で使われるようになるはずです。
2003年に、前の会社でのレイオフをきっかけにして加わることになった小さなバイオテックスタートアップで、ラボのセットアップから始めた仕事ですが、13年余りの間にホウ素を使った2つの新薬を世に送り出すことができ、12年ちょっと前に自分が作った化合物が結果的には世界最大のメガファーマに5千億円超という価値をつけてもらうという、絵に描いたようなバイオベンチャーのサクセスストーリーの一部始終を体験することができました。
ストックオプションという制度により、普通の会社員という立場でもベンチャーでそれなりにリターンを得ることは可能であるという、10年以上前に書いたコラムの内容を、本当にラッキーなことがいくつも重なったからではありますが、当時の期待以上に実現することもできました。
2017年は私にとって3回目の社会人生活のスタートになります。大学を出た後に日本企業の会社員として12年、アメリカに渡ってベンチャー2社で計15年半、そして今年からはself employedになりますが、ここ10数年来考え続けてきた夢である、自分の飲食店を開く準備を開始したいと思っています。現時点でのプランとしては、今年いっぱいかけてカリフォルニアの生活をゆっくりと縮小していきます。2018年は料理と飲食店の基本のキを一度きちんと勉強し、お店の実現は2019年におそらく東京でという計画です。
社会に出てから初めて、平日どこにも出勤しない、組織に属さない暮らしを始めます。でもリタイアするという意味では全くありません。SVJU(Silicon Valley japan University)プロジェクトにも力を注ぎますし、少なくともこの1年、SFベイエリアにおいては週末だけでなく平日のお食事会もたくさん開催可能です。ホームステイともども、ご予約をお待ちしています(笑)。
一方で今年は日本にいる時間も今までよりはだいぶ増える予定です。何かありましたらお気軽にお声がけいただければと思います。
今回、27年続けた製薬企業での研究職という仕事にピリオドを打ち、今までとは全く違う種類のチャレンジをしていきます。「シリコンバレーのバイオベンチャー」をキーワードに2004年末から12年間に渡って書いてきた(実際には関係ないこともあれこれ書いてますがw)このブログは、過ぎてから振り返るのではなく、常に自分を実況中継するというポリシーで書いてきました。後からだと、話を脚色したり都合のいいように作り変えたりすることも可能なので、言い訳不可能な生中継の方が覚悟と緊張感を持って臨めると思っているからです。ただし今回、バイオベンチャーについてはいろいろな意味で一段落してしまったので、今後は回顧録的な形も含めて継続したいと思っています。
その代わり、引き続き実況中継にこだわりたい私としては、新しいブログを二つスタートしました。
ひとつはお料理関係の記録およびお店のオープンに向けたA-POT Dining。
もうひとつは最近始めた投資活動の記録としてA-POT Investmentです。
今後しばらくはこれら三つを適宜更新していきます。新しい二つはまたまた実況中継なので失敗に終わることもあるかも知れません。でもそんなことは気にせず、やれるだけやってみようと思います。
延々と自分のことばかり書いてしまいましたが、みなさまにとりましてよい一年となりますように。
赤間 勉
2001年に渡米して以来、毎年いろいろなことがあって、まさにローラーコースターのような生活を楽しんできました。昨年も例にもれず激動の年となったわけですが、この15年の中でも一番大きな変化があったと言えるかも知れません。
まず年初に、mild to moderate(軽度から中程度)のアトピー性皮膚炎を適応とした、crisaborole 2% ointment(軟膏)のFDAへの承認申請が完了し、3月に正式に受理されました。それを受けて、5月にPfizer(ファイザー)社によるAnacor社の$5.2B(当時のレートで約5700億円)での買収が発表となり、6月にはそれが完了しました。
その結果、Anacor社の探索研究プロジェクトはPfizer本体で引き継がれることとなり、Anacor社の研究部門は12月でほぼクローズ、私も13年半に及ぶ勤務が終了しました。
そしてまさにその直前の12月14日、上記のcrisaborole 2% ointmentがFDAから認可されました。非ステロイドで安全性が高いアトピー外用剤は長らく待ち望まれていた薬で、約15年ぶりの新薬となります。まずは米国での発売ですが、今後数年の間に日本を含む世界各国で使われるようになるはずです。
2003年に、前の会社でのレイオフをきっかけにして加わることになった小さなバイオテックスタートアップで、ラボのセットアップから始めた仕事ですが、13年余りの間にホウ素を使った2つの新薬を世に送り出すことができ、12年ちょっと前に自分が作った化合物が結果的には世界最大のメガファーマに5千億円超という価値をつけてもらうという、絵に描いたようなバイオベンチャーのサクセスストーリーの一部始終を体験することができました。
ストックオプションという制度により、普通の会社員という立場でもベンチャーでそれなりにリターンを得ることは可能であるという、10年以上前に書いたコラムの内容を、本当にラッキーなことがいくつも重なったからではありますが、当時の期待以上に実現することもできました。
2017年は私にとって3回目の社会人生活のスタートになります。大学を出た後に日本企業の会社員として12年、アメリカに渡ってベンチャー2社で計15年半、そして今年からはself employedになりますが、ここ10数年来考え続けてきた夢である、自分の飲食店を開く準備を開始したいと思っています。現時点でのプランとしては、今年いっぱいかけてカリフォルニアの生活をゆっくりと縮小していきます。2018年は料理と飲食店の基本のキを一度きちんと勉強し、お店の実現は2019年におそらく東京でという計画です。
社会に出てから初めて、平日どこにも出勤しない、組織に属さない暮らしを始めます。でもリタイアするという意味では全くありません。SVJU(Silicon Valley japan University)プロジェクトにも力を注ぎますし、少なくともこの1年、SFベイエリアにおいては週末だけでなく平日のお食事会もたくさん開催可能です。ホームステイともども、ご予約をお待ちしています(笑)。
一方で今年は日本にいる時間も今までよりはだいぶ増える予定です。何かありましたらお気軽にお声がけいただければと思います。
今回、27年続けた製薬企業での研究職という仕事にピリオドを打ち、今までとは全く違う種類のチャレンジをしていきます。「シリコンバレーのバイオベンチャー」をキーワードに2004年末から12年間に渡って書いてきた(実際には関係ないこともあれこれ書いてますがw)このブログは、過ぎてから振り返るのではなく、常に自分を実況中継するというポリシーで書いてきました。後からだと、話を脚色したり都合のいいように作り変えたりすることも可能なので、言い訳不可能な生中継の方が覚悟と緊張感を持って臨めると思っているからです。ただし今回、バイオベンチャーについてはいろいろな意味で一段落してしまったので、今後は回顧録的な形も含めて継続したいと思っています。
その代わり、引き続き実況中継にこだわりたい私としては、新しいブログを二つスタートしました。
ひとつはお料理関係の記録およびお店のオープンに向けたA-POT Dining。
もうひとつは最近始めた投資活動の記録としてA-POT Investmentです。
今後しばらくはこれら三つを適宜更新していきます。新しい二つはまたまた実況中継なので失敗に終わることもあるかも知れません。でもそんなことは気にせず、やれるだけやってみようと思います。
延々と自分のことばかり書いてしまいましたが、みなさまにとりましてよい一年となりますように。
赤間 勉
by a-pot
| 2017-01-01 00:00
| SVの暮らし