2005年 11月 01日
Tamiflu |
Takaさんがタミフルについて書かれている。
数年前に発売された、インフルエンザの新しい治療薬、リレンザ(GSK)とタミフル(Roche)。どちらもノイラミニダーゼ阻害剤といわれる薬で、もともと治療薬がほとんどない中、A型B型どちらにでも効く点が画期的といわれている。ウィルスが耐性にもなりにくいとか。
このところ、H5N1ウィルスによる鳥インフルエンザ(avian fluまたはbird-flu)の脅威が世界を騒がせている。ベトナムを中心に、これまでに少なくとも63名がavian fluで命を落としているのだそうだ。最近は感染の報告がアジアからだんだん西へ移動し、トルコでも患者が発見されたりして、ヨーロッパでも戦々恐々としているようだ。ワクチンも治療薬もないことから、識者や評論家が警告を繰り返している。幸いまだヒトからヒトへの感染は確認されていないけれど、ひとたびウィルスが変異してヒトからヒトへ感染するようになると、とんでもない大流行(pandemic)を引き起こす恐れがあるからだ。
このavian fluに効くと期待されているのが、タミフル。なぜかリレンザはあまり期待されていないようなのだが、もしかしたらタミフルが通常の経口剤なのに対し、リレンザが吸入剤だからか。ともかく、各国はタミフルの備蓄を増やそうとしているのだけれど、この薬、構造が単純な割に作るのが難しい。そこで開発元のRocheではパートナー(ライセンス先)を探している。もちろんパートナーからはライセンス料を取るのである。
一方でアメリカ化学会の会報、Chemical & Engineering Newsの10月24日号(ウェブでは会員のみ閲覧可能)によれば、インドのCiplaというジェネリックメーカーが、独自にタミフルを製造しようと画策しているらしい。Rocheはインドではタミフルの特許を取得していないそうなので、インド国内で製造、販売することは問題ない。Ciplaはインド以外にも多くの発展途上国での販売ももくろんでいる。
法的には問題なくても、実際に製造するのは簡単ではない。一番の問題は、この薬が(-)-shikimic acidという、植物由来の天然物を原料にしていること。この化合物は主に中国で取れるのだけれど、Rocheがこの化合物の主なサプライヤーと独占供給契約を交わしているのだ。Rocheではさらに、自社での発酵生産も行っている。他のソースはこの需要に目をつけて、法外な値段を要求するのだと、Ciplaのトップが愚痴っている。つまり他から原料をかき集めても、本来価格で優位に立つはずの後発メーカーの方が価格で苦労することになってしまうようだ。
つまりRocheは、製造国(つまり特許の保護のあるなし)に関係なく、Rocheのサポートなしでのタミフルの大規模な生産は他社には困難だと、相当の自信を持っているのだ。実際、100社以上からライセンスのプロポーザルが殺到していて、おつきあいする相手をじっくり検討しているようだ。
ということは、タミフルの安価な合成法を確立すれば、大きなビジネスチャンスになるということでもある。こういうことは、植物由来の抗癌剤でかつて同様な問題を抱えていたパクリタキセル(タキソール)にもあったし。
でも・・・、すでにタミフル耐性のインフルエンザウィルスは出現しているのです・・・。
数年前に発売された、インフルエンザの新しい治療薬、リレンザ(GSK)とタミフル(Roche)。どちらもノイラミニダーゼ阻害剤といわれる薬で、もともと治療薬がほとんどない中、A型B型どちらにでも効く点が画期的といわれている。ウィルスが耐性にもなりにくいとか。
このところ、H5N1ウィルスによる鳥インフルエンザ(avian fluまたはbird-flu)の脅威が世界を騒がせている。ベトナムを中心に、これまでに少なくとも63名がavian fluで命を落としているのだそうだ。最近は感染の報告がアジアからだんだん西へ移動し、トルコでも患者が発見されたりして、ヨーロッパでも戦々恐々としているようだ。ワクチンも治療薬もないことから、識者や評論家が警告を繰り返している。幸いまだヒトからヒトへの感染は確認されていないけれど、ひとたびウィルスが変異してヒトからヒトへ感染するようになると、とんでもない大流行(pandemic)を引き起こす恐れがあるからだ。
このavian fluに効くと期待されているのが、タミフル。なぜかリレンザはあまり期待されていないようなのだが、もしかしたらタミフルが通常の経口剤なのに対し、リレンザが吸入剤だからか。ともかく、各国はタミフルの備蓄を増やそうとしているのだけれど、この薬、構造が単純な割に作るのが難しい。そこで開発元のRocheではパートナー(ライセンス先)を探している。もちろんパートナーからはライセンス料を取るのである。
一方でアメリカ化学会の会報、Chemical & Engineering Newsの10月24日号(ウェブでは会員のみ閲覧可能)によれば、インドのCiplaというジェネリックメーカーが、独自にタミフルを製造しようと画策しているらしい。Rocheはインドではタミフルの特許を取得していないそうなので、インド国内で製造、販売することは問題ない。Ciplaはインド以外にも多くの発展途上国での販売ももくろんでいる。
法的には問題なくても、実際に製造するのは簡単ではない。一番の問題は、この薬が(-)-shikimic acidという、植物由来の天然物を原料にしていること。この化合物は主に中国で取れるのだけれど、Rocheがこの化合物の主なサプライヤーと独占供給契約を交わしているのだ。Rocheではさらに、自社での発酵生産も行っている。他のソースはこの需要に目をつけて、法外な値段を要求するのだと、Ciplaのトップが愚痴っている。つまり他から原料をかき集めても、本来価格で優位に立つはずの後発メーカーの方が価格で苦労することになってしまうようだ。
つまりRocheは、製造国(つまり特許の保護のあるなし)に関係なく、Rocheのサポートなしでのタミフルの大規模な生産は他社には困難だと、相当の自信を持っているのだ。実際、100社以上からライセンスのプロポーザルが殺到していて、おつきあいする相手をじっくり検討しているようだ。
ということは、タミフルの安価な合成法を確立すれば、大きなビジネスチャンスになるということでもある。こういうことは、植物由来の抗癌剤でかつて同様な問題を抱えていたパクリタキセル(タキソール)にもあったし。
でも・・・、すでにタミフル耐性のインフルエンザウィルスは出現しているのです・・・。
by a-pot
| 2005-11-01 14:09
| 医薬、バイオ関連