オンライン会議で本当に顔を見る必要あるの? |
テレワーク、WFH、といった働き方が広まるのとともに、オンライン会議も普及してきています。私がネットで見ている限りの印象ではありますが、ZOOMに代表されるツールを使ったオンラインミーティングはほぼ必ず、カメラを併用して参加者それぞれの顔を見ながら行っているケースが多いように思われます。それに伴い、ネット環境が不十分とかキャパが足りないとかいったコメントも見られます。
そういうのを見て思うのは、本当にみんなが顔を映しながらやる必要があるの?ということです。私がカリフォルニアのベンチャーで働いていた10数年間、ほぼすべてのプロジェクトで業務の大半をカナダや中国やインドなどのCROに委託していましたし、いわゆるneglected diseaseのプロジェクトでは、北米全土、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリアといった地域のメンバーが関わっていたため、プロジェクトミーティングは常に電話会議でした。
それらの電話会議は本当に文字通り電話会議で、会話はポリコムのようなスピーカーフォンを使って行いました。オフィス以外の場所から個別に参加する人は、スマホであったり各自の固定電話であったりもしました。スカイプも使いましたが、音声のみでした。資料は事前にメールでPPTやPDFで共有し、各自パソコンのモニタ等でそれらを見ながら、音声のみで会議をしていました。年に一度くらいは学会参加を兼ねて集まり、F2Fミーティングもしましたが、原則すべてオンラインで進めました。
後半はWebExも使うようになりましたが、それも資料画面の共有が主目的で、お互いの顔を見ることはありませんでした。
何が言いたいのかというと、少なくとも私がいた製薬業界では、リモート/オンラインで仕事を進めるにあたって、PC画面で相手の顔を見る必要はなかったということです。そのやり方で実際に複数の新薬を開発し、上市まで持っていったのです。
このところのニュース番組を見ていて、慣れないビデオ会議を使い始めてみたけれど、映った/映らないとか落ちたとかいったことだけで時間を浪費しているケースがけっこうあるように思えたので、ちょっと書きたくなりました。リモートで仕事を進めるにあたって、本当に画面上でお互いの顔を見る必要はあるの?っていうことです。必要ないなら重い負荷がかかる映像はなしにした方が、本当に必要なことをさくさく進められると思うよ。