魚は天然ものに限るという主張の謎 |
「魚は天然に限る、養殖の魚なんか食えるかい!」といった感じの主張をされる方がいます。プロの寿司屋さんの中にさえそのような考えの方がいるようです。
「天然=美味しい」、「養殖=不味い」、と信じておいでのようなのですが、私は不思議でしょうがありません。天然の魚はもちろん美味しい時もあると思いますが、獲れるタイミングによっては何日もエサにありつけてなく、やせ細った状態の場合もあるかも知れません。それでも本当に美味しいのでしょうか?
養殖されている魚介類は条件が最適にコントロールされていて、いつ出荷してもおいしい状態か、そうでなければ一番おいしくなったタイミングで出荷することも可能です。脂のノリ具合もコントロールできますので、基本おいしくないはずがないと思うのですが、そのアーティフィシャルな感じが何となくいやなのでしょうか?
それなら聞きたいのですが、天然信仰の方々は、肉はジビエのみ、野菜はそのへんの野草や山菜、野生のきのこだけを食べているのでしょうか?
養殖がいやならば、牛や豚や鶏や、畑でとれる野菜や田んぼでとれるお米すらいやということですよね?
現代のほとんどの食べ物が、いわゆる養殖と同等な形で生産され、供給されています。それらを全否定されたいのならそれは勝手ですが、実際のところはダブルスタンダードになってしまっているのではないでしょうか?
今回のテーマからはずれますが、うま味調味料についても同様な論理が成り立ちます。MSGがいやだという人も、町中華のチャーハンをおいしがっていたり、カップ麺やレトルトのカレーや総菜、パックされたイカそうめんなど、知らないうちに摂取されているケースは多いと思います。
おっと脱線が過ぎました。「養殖」を嫌うみなさんは、そのことにどれほどの意味があるのか、今一度考えてみてもよいのでは?というのが今回の趣旨でした。

