2006年 09月 28日
BOD |
アメリカのベンチャーにおいて、経営上重要なことはすべてBOD meetingで決定される。BODとはBoard of Directorsのこと。要するに取締役会なのだが、取締役のほとんどは社外の人たちである。うちの場合、といってもどこでも大体似たようなものだけど、社内から加わっているのはCEOくらい。あとは当社に投資しているベンチャーキャピタル(VC)からそれぞれひとりずつ、それにファウンダーである大学教授がふたりといった具合。
いわゆる大企業と決定的に違うのは、BODの中で外部の投資家(VC)がかなりの割合を占めていること。
創薬を目指すスタートアップバイオベンチャーは、最初の数年間ひたすら赤字を蓄積する。この期間の資金提供を担うのがVC。NIHグラントも取ったりするけれど、会社の運営資金の大部分はVCから供給されるので、彼らの発言権が最も強くなる。投資により株式の大半を保有しているからだ。
当然のことながら投資家は、基本的にはある時期になったらある程度のリターンを確定させたい。数ある投資先の中にはリターンが望めなくなった会社もあるわけで、うまくいっている会社からは、ある程度の利益を確定させたくなるのは当然だろう。
ところがこれが、社内の従業員の利害とは必ずしも一致しない場合がある。この点で極端な、しかし実際に時々起こっている例は、会社の売却だ。会社を売り払えば、通常即現金が入る。投資した額より高い額で売れれば、投資家にとってこの時点で利益が確定する。しかしその場合、売却後に従業員はみんなさようならとなってしまうこともあり得るのだ。
創薬型ベンチャーの医薬品開発というのは、先々どうなるかわからない。今はすごくよさそうに見えても、臨床試験を進めるうちに突然致命的な問題が発生することもあり得る。そういったリスクをどこまで取れるか、どれだけ楽観的でいられるか、あるいはどれだけがまん強く待てるか、といったあたりがVCの醍醐味ともいえる。待てば待つほど得られる果実は大きくなるが、逆にすべてを失う可能性もあるからだ。今ならそこそこの値段で売れた会社が、半年後には誰も買いたくない状態になっている可能性もあるということだ。
会社の研究開発の進展と共に、リスクやその他の様々な状況が刻々と変化していく。そのたびにBODも様々な判断をしていく。スタートアップ企業の行く末というのも、まさに筋書きのないドラマである。
いわゆる大企業と決定的に違うのは、BODの中で外部の投資家(VC)がかなりの割合を占めていること。
創薬を目指すスタートアップバイオベンチャーは、最初の数年間ひたすら赤字を蓄積する。この期間の資金提供を担うのがVC。NIHグラントも取ったりするけれど、会社の運営資金の大部分はVCから供給されるので、彼らの発言権が最も強くなる。投資により株式の大半を保有しているからだ。
当然のことながら投資家は、基本的にはある時期になったらある程度のリターンを確定させたい。数ある投資先の中にはリターンが望めなくなった会社もあるわけで、うまくいっている会社からは、ある程度の利益を確定させたくなるのは当然だろう。
ところがこれが、社内の従業員の利害とは必ずしも一致しない場合がある。この点で極端な、しかし実際に時々起こっている例は、会社の売却だ。会社を売り払えば、通常即現金が入る。投資した額より高い額で売れれば、投資家にとってこの時点で利益が確定する。しかしその場合、売却後に従業員はみんなさようならとなってしまうこともあり得るのだ。
創薬型ベンチャーの医薬品開発というのは、先々どうなるかわからない。今はすごくよさそうに見えても、臨床試験を進めるうちに突然致命的な問題が発生することもあり得る。そういったリスクをどこまで取れるか、どれだけ楽観的でいられるか、あるいはどれだけがまん強く待てるか、といったあたりがVCの醍醐味ともいえる。待てば待つほど得られる果実は大きくなるが、逆にすべてを失う可能性もあるからだ。今ならそこそこの値段で売れた会社が、半年後には誰も買いたくない状態になっている可能性もあるということだ。
会社の研究開発の進展と共に、リスクやその他の様々な状況が刻々と変化していく。そのたびにBODも様々な判断をしていく。スタートアップ企業の行く末というのも、まさに筋書きのないドラマである。
by a-pot
| 2006-09-28 16:30
| 医薬、バイオ関連