2007年 01月 03日
UCS1025A |
これもアミノフラボン同様、ほとんどの人には何だかわからないであろうネタですが・・・。
アメリカ化学会の会報(Chemical & Engineering News)の12月18日号のCover Story(特集記事)で、Chemistry Highlights 2006というのがあって、その一番最初にUCS1025Aの初の全合成が挙げられていた。
UCS1025Aというのは、90年代後半に協和発酵で、放線菌から単離、構造決定された新規な天然有機化合物につけられた名前、というか番号。テロメラーゼ阻害活性を有する化合物として論文発表されたもの。
この化合物、構造がなかなかユニークなことから、多くのグループで全合成が試みられていた。それが昨年、Danishefsky教授らのグループにより、ついに達成された。
で、何がうれしくて紹介しているのかというと、私も以前、この化合物の誘導体合成をしていたのです。もちろん全合成ではなく、できあがった天然物からの化学変換だけど、天然物というのは時に思わぬ反応性を見せたりするので、結構楽しかった。その一部は上の論文にも出てますし、それも含めて多くの誘導体はUS patentとしてpublishされているので、ここに書いてもだいじょうぶ。というわけで、実は自分と直接の関係はないのですが(^^;)、自分も扱っていた化合物の(他人によるものであっても)全合成が2006年の世界の化学のハイライトと言われると、ちょっとうれしい。もちろん単離したN君の方が、より喜んでいることでしょうが。
ちなみにこれに次いで挙げられているのが、Corey教授らによるTamiflu(タミフル)の簡便な全合成です。
ところで、こういった情報が簡単にウェブ上で手に入るようになってますが、以前会社の同僚に教えてもらった便利なサイトを紹介しておきましょう。US Patentの番号さえわかれば、その特許全文をPDFファイルで入手できます。もちろん無料。そのサイトはhttp://www.pat2pdf.org/ 。
アメリカ化学会の会報(Chemical & Engineering News)の12月18日号のCover Story(特集記事)で、Chemistry Highlights 2006というのがあって、その一番最初にUCS1025Aの初の全合成が挙げられていた。
UCS1025Aというのは、90年代後半に協和発酵で、放線菌から単離、構造決定された新規な天然有機化合物につけられた名前、というか番号。テロメラーゼ阻害活性を有する化合物として論文発表されたもの。
この化合物、構造がなかなかユニークなことから、多くのグループで全合成が試みられていた。それが昨年、Danishefsky教授らのグループにより、ついに達成された。
で、何がうれしくて紹介しているのかというと、私も以前、この化合物の誘導体合成をしていたのです。もちろん全合成ではなく、できあがった天然物からの化学変換だけど、天然物というのは時に思わぬ反応性を見せたりするので、結構楽しかった。その一部は上の論文にも出てますし、それも含めて多くの誘導体はUS patentとしてpublishされているので、ここに書いてもだいじょうぶ。というわけで、実は自分と直接の関係はないのですが(^^;)、自分も扱っていた化合物の(他人によるものであっても)全合成が2006年の世界の化学のハイライトと言われると、ちょっとうれしい。もちろん単離したN君の方が、より喜んでいることでしょうが。
ちなみにこれに次いで挙げられているのが、Corey教授らによるTamiflu(タミフル)の簡便な全合成です。
ところで、こういった情報が簡単にウェブ上で手に入るようになってますが、以前会社の同僚に教えてもらった便利なサイトを紹介しておきましょう。US Patentの番号さえわかれば、その特許全文をPDFファイルで入手できます。もちろん無料。そのサイトはhttp://www.pat2pdf.org/ 。
by a-pot
| 2007-01-03 12:47
| 医薬、バイオ関連