2005年 02月 15日
ZINC |
UCSFのグループが、市販低分子化合物を網羅し、バーチャルスクリーニング用に3次元構造に変換したデータベースを構築し、ウェブ上で無料で公開したそうだ。その名をZINCという。フルネームはZinc Is Not Commercial。深い意味は(あるのかどうか知らないが)不明。
ライフサイエンスの世界で、主にバイオロジーに重要な遺伝子とタンパク質については、公共のデータベースが充実しているのに対し、ケミストリー(主に低分子)の領域では、まともに使えるのは高価な有料データベースばかりで、無料で誰でも使える化合物データベースが求められていた。今回のものは市販されている化合物のみエントリーされているが、それでも270万化合物あるそうだ。市販化合物というのは、基本的には単なる試薬であって、そのまま医薬品にすることを想定されたものではないので、いわゆるdruggability(薬っぽさ)は低い。従ってこれを化合物ソースとしてバーチャルスクリーニングを行い、ヒットが得られたとしても、それがそのまま医薬品開発の手がかりになるかどうかはわからない。しかし、それでもこれだけの化合物が無料で自由に検索できるようになったというのは画期的なことだ。これが将来、医薬品になった化合物とか医薬品候補化合物なんかのデータベースの無料開放につながれば本当にいいんだけどなー。
大きな製薬会社にいると大概のデータベースは買いそろえてあるし、3次元構造だって自前で構築されたりしているので、別にどうってことないニュースかも知れないが、そういう環境が望めないスタートアップにいると、こういうものが大ニュースに思える。アカデミアのみなさんも同じでしょうか。
Call it the Linux of molecular databases. Chemists have unveiled a new online collection of 2.7 million commercially available compounds, already prepared for use in docking programs--and it's free.
ライフサイエンスの世界で、主にバイオロジーに重要な遺伝子とタンパク質については、公共のデータベースが充実しているのに対し、ケミストリー(主に低分子)の領域では、まともに使えるのは高価な有料データベースばかりで、無料で誰でも使える化合物データベースが求められていた。今回のものは市販されている化合物のみエントリーされているが、それでも270万化合物あるそうだ。市販化合物というのは、基本的には単なる試薬であって、そのまま医薬品にすることを想定されたものではないので、いわゆるdruggability(薬っぽさ)は低い。従ってこれを化合物ソースとしてバーチャルスクリーニングを行い、ヒットが得られたとしても、それがそのまま医薬品開発の手がかりになるかどうかはわからない。しかし、それでもこれだけの化合物が無料で自由に検索できるようになったというのは画期的なことだ。これが将来、医薬品になった化合物とか医薬品候補化合物なんかのデータベースの無料開放につながれば本当にいいんだけどなー。
大きな製薬会社にいると大概のデータベースは買いそろえてあるし、3次元構造だって自前で構築されたりしているので、別にどうってことないニュースかも知れないが、そういう環境が望めないスタートアップにいると、こういうものが大ニュースに思える。アカデミアのみなさんも同じでしょうか。
by a-pot
| 2005-02-15 14:00
| 医薬、バイオ関連